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〈15年ぶりトップ交代〉富国生命・渡部社長「国内市場でさらなる成長を実現」「運用利回りを引き上げ増配につなげる」

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富国生命・渡部毅彦社長
渡部毅彦(わたべ・たけひこ)/1986年新潟大学法学部卒業、富国生命保険入社。2016年執行役員、20年常務執行役員、24年専務執行役員、25年4月から現職。新潟県出身 (撮影:尾形文繁)

――いつどのようなかたちで次期社長の打診を受けたのですか。

昨年末のクリスマスの数日前だったと思う。米山(好映前社長)に呼ばれて「次(の社長)をやってもらう。断る選択肢はないから」と告げられた。

営業現場の経験がない私に務まるのかという話をしたが、資産運用部門に長く携わり、これまでの債券投資の判断などを踏まえて「金利ある世界でのマネジメントや、その執行スピードを評価している」と言われた。普段は褒められることはないのだが(笑)。

国内市場で成長できる「3つの理由」

――新社長として経営の舵取りを担うにあたって、どこに問題意識を持っていますか。

4月から新しい中計(中期経営計画)がスタートした。少子高齢化で縮小傾向にある国内市場で、どう成長していくかということに強い問題意識を持っている。

ただ一方で、海外に進出しなくても、当面は国内市場で成長できると整理している。その理由は3つある。

1つは契約者への配当還元だ。モノの値段や人件費が上がると、コスト削減による保険料の引き下げは難しくなってくる。相互会社として稼いだ利益をしっかりと配当還元することで、実質的に保険料負担の引き下げにつなげる。そうしたビジネスモデルが、顧客から今後改めて評価されるはずだ。

現状は保険料の1割程度を配当で還元しているが、保険料が安い他社の商品と比べると3割程度の価格差があり、価格訴求力はまだ低い。そのため中計では、保険料の2割、10年間の累計配当金で保険料の2年分相当を還元することを掲げた。そこに商品における手厚い保障と営業職員のきめ細かいフォローアップが加われば、他社商品との価格差はカバーできると考えている。

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