結局…「スマホで削除したメッセージ」は復元できるのか?成功の鍵はデジタルフォレンジック調査の「時期」、平時から準備しておくべき3つも紹介

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デジタルフォレンジック
Graphs / PIXTA

先日公開された某テレビ局による調査によって、「デジタルフォレンジック」という言葉がにわかに脚光を浴びることになりました。削除されたスマホメッセージの復元が話題に挙がり、都合の悪いことがバレるのではないかと、不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

それが不正や犯罪の証拠だとすれば、消したくて削除したわけですから、加害者にとって復元は不都合なはずです。しかし被害者の立場を考えれば、証拠がなければ泣き寝入りするしかありませんので、なんとしてでも復元したいところです。

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パソコンやスマホのコミュニケーションツールで交わされた会話の履歴が、デジタルフォレンジック調査によって解明されると、それはもう生々しく事件の背景が浮かび上がることになります。

とある殺人犯の送信済みメッセージを復元したときには、「いま殺しました」という主旨のメッセージが現場の写真と一緒に送られていました。

企業や組織における内部不正のデジタルフォレンジック調査では、架空売り上げの計上指示や、取引先への不正なキックバック要求などが露呈することもありますし、機密情報の漏洩にコミュニケーションツールが悪用されていたことが分かる事例もありました。

さらには、読むに堪えないようなハラスメント発言や、自ら命を絶つ直前に家族に残したメッセージが見つかることもあります。

報告書には復元に関する技術的な記述はなかった

さて、冒頭で触れた調査報告が報道されたあと、削除メッセージの復元が注目を集めました。ネット記事によっては過剰に反応しているものもあり、なかには「削除メッセージの復元は原則として可能である」かのように説明するものも見受けられます。

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