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世界経済はどこまで「武器化」してしまうのか? このままでは世界貿易は縮小して敵対的なブロックへの分裂が進む

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この期間中は、理論を反映した政策がおこなわれた。冷戦時代、アラン・P・ドブソンが語ったように、アメリカは禁輸措置、技術制限、金融政策を活用することで、直接的な軍事衝突から「経済戦争」に移行した。

スーザン・ストレンジが独創性に富んだ構造的権力論で示したように、国家は国際金融や生産、技術の根幹のシステムを作る能力により、他の誰に対しても参入条件を設定することができ、直接的な強制力を行使する必要性を減らすことができる。

ロシアがクリミアとウクライナ東部を占領するために「リトルグリーンメン(覆面で顔を隠した所属不明の兵士)」を送り込む直前の2013年後半に、ブルッキングス研究所のトーマス・ライトは、互恵的な経済ネットワークが戦略的脆弱性をもたらす可能性があると考えた。

その3年後、欧州外交評議会のマーク・レナード理事はエッセイで「相互依存の武器化」という表現を作り出し、かつて協力を促すと称賛されたクロスボーダー投資、海上交通路、デジタルインフラなどのグローバルネットワークは簡単に乗っ取られる可能性があると警告した。

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