ゲートウェイ再開発で出土した「高輪築堤」の未来 どの場所で何が見つかったのか担当者を直撃

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――日本の歴史を語る文化遺産・貴重な遺構を、今後どのように扱っていくのか。

「見学会を実施した5・6街区の高輪築堤跡の今後の取り扱いについては、調査で作成された測量結果や図面などの報告書等に基づき、文化財的な評価を行い、高輪築堤調査・保存等検討委員会で議論をしていきます」

――遺構が発見された時、現場は驚いたと思うが、現場の様子と区関係者の反応は。

「当該地は、周知の埋蔵文化財包蔵地に該当しているため、遺構が残されている可能性があると想定していました。今回の調査により、高輪築堤跡の石垣の築石と裏込め石、築堤本体の盛土の一部と、群杭の海側の構造物の正確な位置を把握することができました。トレンチ7の張り出し遺構のように、調査前に予想していなかった遺構も確認しています」

何が発掘されたのか

――トレンチ調査作業は、なぜ9カ所なのか?

「今回の調査は、どの深さで、どの程度残っているかを確認することを目的としています。調査の対象エリアは、品川駅改良工事等の作業ヤード(工事資材置き場、工事車両通路、詰所等)になっていることから、周辺工事に影響を及ぼさない範囲で、調査対象地内をまんべんなく調査するため、トレンチを9カ所設定しました」

――高輪築堤跡、石垣などが発見されたが、これら以外の発掘品(鉄道部品・その他)はあったのか。

「遺構として確認されたのは、高輪築堤跡(盛土、海側石垣、群杭等)、大正時代以降の石組または石列遺構です。遺物としては、陶磁器類、犬釘などが見つかっています。現地見学会の遺物コーナーにて、展示しました」

発掘品の一部(筆者撮影)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事