ブラックストーン デビッド・キャリー、ジョン・E・モリス著/土方奈美訳 ~巨額買収と巨額報酬の裏側を詳細に描く

ブラックストーン デビッド・キャリー、ジョン・E・モリス著/土方奈美訳 ~巨額買収と巨額報酬の裏側を詳細に描く

評者 高橋 誠 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン会長

ブラックストーンは、初めてレバレッジドバイアウト(LBO)を行い、米国プライベートエクイティ(未公開株投資)最大手の一角を占める。『キング・オブ・キャピタル』という原題の本書は、ピーターソン会長とシュワルツマンCEOが1985年にブラックストーンを創業し、2007年に株式公開(IPO)を成し遂げるまでを種々の案件を通して詳細に描き出したもので、この業界の歴史ストーリーともなっている。

LBOは、本来投資家から集めたファンドの資金を元にレバレッジをかけて会社を買収し、事業の再生によって企業価値を上げたうえで、再度上場するか、ほかに売却するという出口戦略を目指すものだ。

しかしそれだけではない。「墓場のダンサー」の異名を持つサム・ゼルの上場不動産会社を387億ドルという巨額で買収し、保有する不動産をばらして売却することで投資金額があっという間に2倍になる「分解の妙」もあれば、逆に異なる会社を合併させてシナジー効果を出す「合成の妙」も多々登場する。取引にはレバレッジが利いているため、リターンが何倍にもなるケースがある一方、市況産業に間違ったタイミングで投資して悲惨な結果となったケースなども数多く登場する。

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