東急線、懐かしい「ギラギラのステンレス車」時代 緑の旧型車が活躍、非冷房も残る80年代の記憶

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今では信じられないが、当時は冷房付き車両はステータスに近いものがあり、冷房車の新車は基本的に利用者の多い東横線か田園都市線にしか導入されなかった。3両編成1本だけ冷房付き新車が投入された目蒲線に対し、池上線沿線住民だった筆者は羨ましく、超えられない壁のようなものすら感じていた。

東急 3650 池上線
池上線の雪が谷大塚付近を走行する緑色の旧型車両3000系(3650形)(撮影:橋爪智之)
東急3450 池上線
池上線の雪が谷大塚付近を走る3000系(3450形)(撮影:橋爪智之)

冷房車といえば、新玉川線(現在の田園都市線渋谷―二子玉川間)で使用されていた車両は、屋根上には冷房キセ(装置を収めるカバー)があるものの、肝心の中身が空っぽという車両が存在した。このような車両は「空ラー(クーラー)車」などと揶揄されたが、1982年以降は全車両が冷房付きとなっていた。

シルバー無塗装・赤帯なしのシンプルさ

今では当たり前となっているステンレス車両だが、1980年代前半は首都圏でも導入例はそれほど多くなく、「ステンレスカー」といえば東急という時代だった。今のようにカラフルな帯の入った車両はなく、当時最新の8500系や8090系以外は赤帯もない無塗装のシルバーのみだった。どちらかと言えば地味であったが、むしろそのシンプルさこそ東急電車の美しさでもあったように思う。

東急8000 赤帯なし 原形
1988年以前は赤帯がなかった8000系(撮影:橋爪智之)
【写真】元祖オールステンレス車の7000系も銀色無塗装・帯なしのシンプルさが際立っていた
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