"宙づり国会"の与野党攻防は「出たとこ勝負」に 「予算」「企業・団体献金」「夫婦別姓」で駆け引き

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その中で、まず石破首相は「少数与党であり、野党に賛成をしてもらわないと法案も新年度予算案も通らない。野党を支持する国民が『そうだよね』と思う環境をつくることが大事だ」と野党要求には柔軟に対応する姿勢を強調。そのうえで「今から、どこと連立するとか、しないとかを申し上げるべきだとは思わない。『年収103万円の壁』は財源をどう見つけるかもあわせて議論しなければ答えが出ない」と語った。

続いて、与党・公明党の斉藤鉄夫代表は「税制関連法案や予算案はベストという立場だが、野党の協力をいただかなければ何事も前に進まない。『年収103万円の壁』の見直しは、3党の幹事長で178万円を目指すと合意している。予算案の修正もあるのではないか」と述べ、石破首相の柔軟姿勢に同調した。これも踏まえ、自公両党は召集前から、立憲民主、日本維新の会、国民民主の3野党との「政策担当者協議」を進めている。

立憲民主と維新、国民民主の「立場の違い」も露呈

これに対し、野党第1党の立憲民主・野田佳彦代表は「『賢い支出』かチェックする役割を果たしていきたい。われわれの提案について予算案の修正を求めていく場面は、当然生まれてくる」と、予算修正への強い意欲と自信をにじませた。さらに野田氏は、東京都議会の自民党会派が開いた政治資金パーティーをめぐって会計担当者が略式起訴されたことにも言及し、これまで通り「自民の政治とカネの問題」についても厳しく追及する方針を強調した。

一方、吉村洋文維新代表(大阪府知事)は「今回の国会で絶対やるべきだと思っているのが、社会保険料を下げる社会保障改革と、高校授業料の無償化だ。賃上げをしていかなければならない中で、手取りで一番大きく引かれているのは社会保険料であり、真剣に取り組むべきだ」と、予算審議の中で同党の“看板政策”でもある高校授業料無償化などの実現を求める考えを力説した。

また、古川元久・国民民主党代表代行は「いま政治にできることは手取りを増やす政策だ。『年収103万円の壁』の178万円への引き上げは一番キーとなる政策なのでこだわっていきたい。党の主張が受け入れられたと判断できれば、予算案に賛成することはありうる」と、与党が『103万円の壁』で大幅な引き上げ案を示せば、予算案に賛成する考えを明らかにした。

さらに、田村智子・共産党委員長は「選択的夫婦別姓はジェンダー平等を進めていくうえで不可欠だと思うので、国会の中での議論を求めていきたい。企業献金が政治をゆがめてきたので全面的な禁止が必要だということを大いに議論し、実現していきたい」などと表明。舩後靖彦・れいわ新選組副代表は「自民党は国民には増税し、自分たちは『裏金』をキックバックだ。『ぬすっと』からこの国を取り戻す。れいわ新選組は今年も激烈に戦う」と語った。

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