「2050年、日経平均30万円」が大げさじゃない根拠 エミン・ユルマズ氏に聞く「今後の株価の見通し」

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もう1つは、そこには地政学的な状況が加わって、日本にサプライチェーンが戻ろうとしている。特に半導体、これは日本にとってはものすごく追い風になります。

あとはインフレです。理解しないといけないのは、私が言っている日経平均30万円に到達したときの30万は、今の30万(の価値)ではないですよ。今、日経平均が4万円だとして、今の4万円は5年前の4万円ではない。

自分がよく行っている飲み屋さんとか、遊びに行くときのお金で計算してもいいんだけど、今の4万円って5年前の4万円と違うんですよ。その4万円の中にはインフレ分が入ってます。

そうなると日経平均が30万円になったときの30万円というのは、本当はいくらなのかというのがポイントなんです。

私は日本の場合、そんなに高いインフレが発生してくるとは思っていないですが、マイルドなインフレが発生してもそれが年々蓄積していきますので、実はそんなに大した高い数字を言っているわけじゃないんですよ。皆さん、それにまだ気づいていない。

要は数字そのものに重要性はなくて、日経平均が100万円になる可能性だってあります。大事なのはその100万円で何が買えるか。30万で30万にどれぐらいの購買力が残ってるかっていうのが大事です。

インフレによってお金は目減りする

もう1つ、私が言いたかったのは方向性です。

世の中がこれからインフレになってきて、新しい地政学的な状況、アメリカと中国の対立、覇権争い、いろいろなリスクを増やしますが、同時にいろいろなオポチュニティー(機会)も増やすので、日本はこれをつかみにいくしかない。

(インフレによって)これからお金が目減りしていくので、資産運用を誰もがしないといけないということ。自分が想定していた「老後にはこれぐらいで足りる」というお金は、自分がその歳になったときには絶対に足りないから、これだけは覚悟しておく。

それをちょっと上回るぐらいの資産運用での収益を目指していかないと厳しいというような世の中に私たちは入りました。

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