バスケ人気再燃、Bリーグ「大胆な新基準」の勝算 千葉ジェッツ再建したチェアマン島田氏の手腕

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興味深いことに島田氏は千葉ジェッツの社長になるまで、バスケットのファンや選手でもなければ、スポーツビジネス自体にも関心がなかった。気づけば自治体から地元企業、ファンに至るまで巻き込む人が次第に増えていって、その責任を果たさないといけなくなった。面白いというよりも、やればやるほど責任が広がって、応える責務が大きくなって、気づいたら13年が経っていたという。

NBAから渡邊雄太選手がBリーグに復帰

今年6月にはBリーグとして5カ年の中期経営計画も出している。2026年にエクスパンション型リーグに移行する改革は通過点に過ぎないということだ。

「今は目先の結果が出ることが半分、10年後に結果が出ることが半分といった状況にある。その大半は、私の任期中には結果が出ない。しかし、経営が好転したからこそ、未来のことに投資して人の配置ができるようになった。

グローバルにも手を付けており、各チームにアジア枠を設け、韓国・フィリピン・台湾・中国などの選手が1人入れる仕組みをつくる。アジアの人気選手たちが日本に集まれば、彼らの姿をTVで見たいと放映権購入の要望も出てくるはず。今5カ国から13カ国へと増やしており、各国にスタッフも派遣している」

いよいよ10月には2024-25シーズンが開幕する。アメリカのプロリーグNBAで6シーズンにわたり活躍した渡邊雄太選手がBリーグに復帰する。またアリーナも沖縄・佐賀・群馬に続き、今年は長崎や船橋、シーズン後半には神戸にもアリーナが誕生する。

SAGAアリーナ
Bリーグの会場が、体育館からアリーナに変わっていく(写真:©B.LEAGUE)

「Bリーグの会場が、体育館からアリーナへと生まれ変わっていく。それが注目ポイントだと言えます。また渡邊雄太選手がBリーグに参戦するなど、選手たちの顔が売れてきている今、各チームに注目選手がいることがプレーを質的に盛り上げていく。最強の布陣で臨めるシーズンになると考えています」

オープンハウスアリーナ太田
暗転できるアリーナならではの演出がまた魅力(写真:©B.LEAGUE)

いくら改革を進めても、会場に足を運んだファンが「楽しい」と思わなければ、再び試合を見に行かない。応援しているチームが勝っても、負けても、また来たいと思う仕掛けが必要だ。そういう意味では、アリーナならではの演出も生きるだろう。顧客満足度を高めながら地方創生へとつなげられるか。挑戦は始まったばかりだ。

國貞 文隆 ジャーナリスト

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くにさだ ふみたか / Fumitaka Kunisada

1971年生まれ。学習院大学経済学部卒業後、東洋経済新報社記者を経て、コンデナスト・ジャパンへ。『GQ』の編集者としてビジネス・政治記事等を担当。数多くの経営者に取材。明治、大正、昭和の実業家や企業の歴史にも詳しく、現代ベンチャー経営者の内実にも通じている。著書に『慶應の人脈力』『やはり、肉好きな男は出世する ニッポンの社長生態学』『社長の勉強法』『カリスマ社長の大失敗』がある。

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