バスケ人気再燃、Bリーグ「大胆な新基準」の勝算 千葉ジェッツ再建したチェアマン島田氏の手腕

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「現在、Bリーグの構造改革を進める中で経営改善、とくに集客を強化していくことに取り組んでいる。FIBA バスケットボール ワールドカップ 2023が後押ししたこともあるが、今の盛り上がりのベースとなっているのは構造改革の中で各クラブが経営努力をしてきたことが下支えとなっている」

Bリーグチェアマン島田慎二
島田慎二(しまだ しんじ)Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)チェアマン、日本バスケットボール協会副会長/1970年、新潟県生まれ。1992年マップインターナショナル(現エイチ・アイ・エス)入社。1995年に退職後、法人向け海外旅行を扱う会社やコンサルティング事業を展開する会社を設立。2012年に経営コンサルタントとして千葉ジェッツ(現・千葉ジェッツふなばし)の経営に参画、同年に社長就任。2020年より現職(写真:©B.LEAGUE)

Bリーグでは2026年から、B1は「Bリーグ・プレミア」、B2は「Bリーグ・ワン」、B3は「Bリーグ・ネクスト」へと名称を変更する。しかも、プレミアに参入するには売上高12億円以上、平均入場者数4000人以上、収容人数5000人以上のアリーナを有することが条件となる(初回審査は2024年10月)。そのため業界では、ここ数年で20件ほどのM&Aが起きており、経営の安定化を急ぐクラブが相次いだ。

クラブ経営を重視して参入チームを判断する理由

なぜ、プロ野球やJリーグとは一線を画し、戦績ではなくクラブ経営を重視して参入チームを判断するのか。

「バスケは競技の特性上、その面白さはどこが勝つかわからないという接戦にある。その意味では、まず各チームの勢力均衡を図り、魅力的なゲームをたくさんつくりたいと考えている。さらには、地方のクラブにも優勝するチャンスをつくりたい。

今の日本社会を見ると、首都圏に人口が集中する一方、地方は衰退し過疎化も進んでいる。そうした中で、Bリーグは地方創生リーグになることを大きなビジョンとして掲げている。地方のクラブを盛り上げていくためにも首都圏のクラブとの格差をなくしていく。不確実性の高い勝敗だけでなく、入場者数、アリーナなどビジネス面を重視しながら、長期的な視点で地方自治体や地元企業、市民を巻き込んだムーブメントを起こしたい」

勝てばスポンサーがつくが、負ければ離れる……といったスポンサー頼みの経営、また実際クラブは経営不振なのに親会社からの支援で成り立っているようなスポーツ産業ではなく、実態として黒字化を目指すリーグになる。そのためにはビジネスを重視するアプローチのほうが業界発展につながるということだろう。

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