渡邉恒雄氏にではなく、巨人軍に忠実に行動した--元読売巨人軍専務取締役球団代表 清武英利
──この日、渡邉氏側に、来季の重要な戦略を話し合う場だ、という認識はあったのでしょうか。
もちろん。そうでなければ、わざわざ1時間も時間を取る必要はない。今になって知らなかったと言われるのは、巨人軍の人間からするとたいへんなショックだ。
渡邉氏の承認を受け、巨人がクライマックスシリーズ(CS)に敗退した10月31日に人事の内示をした。こういうことはどんどんやらないと、チームが再建できない。本人が突然知らないと言ったのは11月4日。
百歩譲って、10月20日に説明した内容に問題があれば、なぜその場で「CSで負けたならば人事案そのものはない」と言わなかったのか。さらに31日に内示しているにもかかわらず、4日経ってから覆すような発言をすることは、組織上ありえない。巨人では過去も同じように手続きを進めているんです。
──10月31日から渡邉氏の「俺は知らない」発言があった11月4日まで、何があったのでしょうか。
原監督が「江川さんもいいですね」程度の発言をしたのではないですか。原氏の江川氏に関する発言は渡邉氏といろいろな話をする中で、たまたま出たものだと理解している。原監督は来季のヘッドコーチとして岡崎郁氏が留任する案について了承している。繰り返し言いますが、10月31日の内示は私だけで考えた人事案ではないわけです。
──清武さんと原監督の間に、意見対立があったのでしょうか。
個人的問題ではない。組織的に決めたことだから。それがすべてだ。