スマートフォンを取り込むソニー、携帯電話の合弁解消も、競争熾烈
ソニーが、スウェーデンの通信機器大手エリクソンと折半出資する携帯電話大手ソニー・エリクソンの完全子会社化を検討していることが明らかになった。
ソニエリの業績は苦戦が続く。2011年1~6月期は3900万ユーロ(40億円)の最終赤字。スマートフォンの直近の世界シェアは2%以下にすぎず、米アップルの18・4%や韓国サムスン電子17・8%の背中は遠い。
それでもスマホ事業を本体に取り込むことは、ソニーにとって必然だ。平井一夫副社長は「テレビ、スマホ、タブレット、パソコンの四つを連携させ、同じコンテンツを楽しめるようにする」と強調しており、その中心はスマホ。世界のテレビ出荷台数は2億台で頭打ちだが、スマホは15年に約10億台とも予測される。
サムスンの12年1~6月期における通信事業の部門利益は3・1兆ウォン(2000億円)。グループ営業利益の46%を稼ぎ、ディスプレー事業の赤字4400億ウォン(290億円)を軽く補う。片やソニーは成長エンジンがない。12年3月期は営業利益2000億円を見込むが、テレビの赤字800億円超が重くのしかかる。
2社の微妙な力関係
ソニーが赤字だった携帯事業を分離、合弁にしたのが01年。以来、エリクソンとは微妙な力関係が続いてきた。