アップルは自動車の最先端技術を"盗む"のか

BMWを悩ます「プロメテウス物語第2章」

一般論として、iPhoneのような製品との統合よりもさらに緊密なコラボレーションは理にかなったことかどうかと質問した時、フローエリック氏は最初、BMWは主要ノウハウを外部者に公開せざるを得なくなるような契約を検討することはないと語った。

「弊社はエコシステムを公開するようなコラボレーションは行いませんが、両社は互いを尊重し合っているので方法を見つけます」とフローエリック氏はロイターに語った。

BMWは戦略的コラボレーションを実施するメリットを検討する時にカスタマーのニーズと同社の核となる強みは何であるかに留意する、とフローエリック氏は付け加えた。

Miniブランドおよびデジタルサービス担当のBMW役員のピーター・シュワルゼンバウワー氏は、今年これまでのインタビューの中でアップルとの対話の可能性に関してコメントを控えた。

しかし、彼は次のように語った。「ここで2つの世界が衝突しています。複雑な製品生産分野におけるハードウェアとエクスペリエンスに焦点を当てた弊社の世界と、私たちの生活にどんどん入り込んできている情報テクノロジーの世界です」。

インテリジェントハードウェアの開発方法を理解している企業が勝利を収める、と彼は語った。そして、自動車メーカーとテクノロジー企業がより緊密に協力することは理にかなっていると付け加えた。

「私たちか彼らのどちらか、という考え方から抜け出す必要があります... 弊社はいずれかのテクノロジー企業の支援なしではクライアントに完全なエクスペリエンスを提供することはできません」(シュワルゼンバウワー氏)。両者の対話は本格化している、と彼は強調した。

アップルが単独で参入すると何が起きるか

2028億ドルの現金を有するアップルには自動車市場への独自参入のためのリソースがある、と米国カリフォルニア州オレンジのコンサルティング企業Car Labのプレジデント、エリック・ノーブル氏は語る。「iPhoneを車につなぐアップルのインフォテイメント・システム『CarPlay』で優れたダッシュボードを提供するだろう。しかし、結局のところ他社のものと大差はないだろう」とノーブル氏は述べた。

アップルが車の販売を決意するならば、産業としての規模を持つ数量の生産、販売網、修理を支援するパートナーを見つけることが理にかなうことになる。その種の自動車の生産、販売に対しては既存の自動車以上に要求が高くなりうるからだ。

アップル自動車の潜在販売数に関する見積もりはないが、同ブランドと製品は、忠実なファンを自由に操ることができる。Apple iPhoneの年間カスタマー数のわずか1%が自動車1台の注文を決断しただけでも、169万台の車を生産する必要がある。

この台数はジャガーランドローバーが昨年生産した43万4311台を超える。BMWグループでさえ、昨年の生産台数は200万台である。こうしたメーカーが新規に表れれば、既存の自動車メーカーは自分が生き残るための空間を確保するのに苦労することになるだろう。

執筆:エドワード・タイラー、ジュリア・ラブ
追加リポート:エリック・オーチャード
編集:フィリッパ・フレッチャー
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