アウディ「サンキューハザード」不要にするライト 有機ELの「動き」でコミュニケーションを図る

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縮小

ただし、道路上のサインは警察などの管轄になるため、「それと抵触するので、当初のコンセプトは大幅に縮小せざるをえなかった」と、後で知らされた。Q6 e-tronが車体のみをメッセージボードとして使うのは、そんなことが背景にあるからかもしれない。

テールライトだけでなくヘッドライトもさまざまなパターンに(資料:Audi)
テールライトだけでなくヘッドライトもさまざまなパターンに(資料:Audi)

Q6 e-tronでは、前述のようにフロントランプにもアニメーションパターンを持っており、一般的にはドライバーがクルマに接近したときのウェルカムや、クルマから離れていくときのグッバイのメッセージを光の動きで伝える。以前よりも、ずっと複雑な動きになっているのがおもしろい。

Android Automotive OSで変わるクルマ像

アウディが属するフォルクスワーゲングループでは、新型車に新しいOSを積極的に採用し、インフォテインメントシステムの大幅なアップデートを図っている最中だ。

Q6 e-tronでは、Android Automotive OS(AAOS)を導入して、車内でさまざまなアプリを使えるようになっていて、サードパーティが開発したゲームもダウンロードして楽しめる。それは新しい世代の「ゴルフ」しかり、ランボルギーニ「レヴエルト」しかりだ。

ゲームアプリは一例で、さまざまなサードパーティアプリを利用できる(写真:Audi)
ゲームアプリは一例で、さまざまなサードパーティアプリを利用できる(写真:Audi)

「ChatGPTも導入し、さまざまな音声入力コマンドがよりフレキシブルになる」とは、先のモーバー氏の言。ナビゲーションの目的地入力もより簡単になるし、音楽再生時に「ビヨンセの人気曲をリストアップして」などのコマンドに対応してくれる。人間のオペレーターに頼らなくてもよくなるのも、コスト削減におけるメリットだ。

「アプリのローカライズは、たいへん重要な課題でした。それを可能にしてくれるOSやアプリが、クルマの価値と結びつく時代なのです」

クルマの電動化が進むのと並行して、目には見えにくい部分でコンテンツが新しくなっていく。アウディは、確実に未来へと歩を進めているようだ。

【写真】Q6 e-tronのOLED点灯パターンとメカニズム(30枚以上)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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