アウディ「サンキューハザード」不要にするライト 有機ELの「動き」でコミュニケーションを図る
フロントには平行四辺形のセグメントが61個、リアは60個の三角形がケースの中に収まる(A8では8個だった)。これによって、複雑なパターンを構成することが可能になった。目的は「Car to Xコミュニケーション」とモーバー氏。
コミュニケーションライトは、次のような安全支援システムと連動するそう。
・エマージェンシーアシスト
・プリクラッシュリア
・ハザードウォーニングライト
・エマージェンシーコール
・ブレイクダウンコール
・エマージェンシーストップシグナル
・ローカルトラフィックワーニング
「2輪車が停車中の車両に近づいたときに、車内の乗員がドアを開けようとすると警告を出すのがアウディのエグジットワーニングで、このときリアのライトのパターンも変化して、点滅などのアニメーションを使いながら、2輪車に注意を喚起します」
モーバー氏によると、走行中に後続車が接近しすぎたときにも、リアランプのOLEDが動いて注意を呼びかけるという。
このとき、「Fernbleiben(離れて)」といった直接のメッセージは出せないので、OLEDセグメントが作るアニメーションパターンで、そのことを気づかせる必要がある。なんだかおもしろいではないか。
ライトでメッセージを表現する背景
かつて2018年にメルセデス・ベンツが「デジタルライト」なるコンセプトを発表したことがある。路上にメッセージを投影するタイプのコミュニケーションライト技術だ。
ユニークだったのは、道路をいわばスクリーンに使うライト投影のコンセプト。道路工事をしていて車線がない場合でも、ナビゲーション地図を使ってライトが仮想車線を投影したり、路面に凍結があると、雪の結晶のアイコンをドライバー前方の路面に投影して注意を喚起してくれたりといった具合。
中には、道路の横断を考えている歩行者を発見して停車したとき、歩行者のために横断歩道のゼブラを投影して「どうぞわたってください」と知らせるコンセプトもあった。私は当時、このコンセプトカーに同乗してこの技術を体験し、感心したことを覚えている。
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