スポーツを「ゆるキャラ」に、Xで人気爆発の宇宙人 可愛いキャラを気軽な「入り口」に競技人口増へ
「“ブライトンの奇跡”と呼ばれていますが、エディー・ジョーンズ監督率いる日本代表が南アフリカ代表に34対32で逆転勝利し、スポーツ史上最大の番狂わせが起きました。『人はスポーツでこれほどまでに感動するのか』と感銘を受け、ラグビー愛が爆発したんです」。今江氏は中学・高校とラグビーをしていたが、自身がプレーしていたときよりも、さらにラグビーが好きになったそうだ。
この歴史的一戦を機に、連日テレビなどのメディアで取り上げられ“五郎丸ブーム”が沸き起こり、ラグビーはもっと人気が出てメジャースポーツになると考えていた今江氏。しかし、思いのほかブームはすぐに去ってしまった。「2019年には日本でラグビーワールドカップが開催されるのに、このままではまずい」。愛するラグビーのために何か貢献できないかと動き始める。
ゆるキャラのくまモンやふなっしーがヒントに
当時はやっていたゆるキャラのくまモンやふなっしーにヒントを得たという今江氏。「ラグビーのゆるキャラを作って人気者にできたら、世間がラグビーに興味を持ってくれるかもしれない」。すぐさま行動に移し、翌年2016年9月には自らデザインした二頭身のゆるキャラ「ラガマルくん」が誕生。当時のTwitterで発信を始めた。
Twitterでの好意的な反応に手応えを感じた今江氏は、「着ぐるみ姿が見たい」というラグビーファンの声を受け、自己資金で「ラガマルくん」の着ぐるみを製作。2017年5月に3次元デビューを果たす。
「“非公認キャラ”としてリアルイベントに出演するなど活動がスタートしましたが、当時イベント出演料はもちろん無料、交通費も自腹でした。俳優やモデル業での稼ぎをそのまま“ラガマルくん”の資金に充てている状態でした」と今江氏は振り返る。
「ラガマルくん」は、愛くるしい見た目や耳をぴょこぴょこさせる仕草でたちまち人気者に。徐々に活動が認められ、2018年には東京都調布市・府中市のラグビー応援アンバサダーに就任した。
「スポーツに関心がない人にも、キャラクターを入り口に興味を持ってもらいたい。そしてラグビーだけでなく他のスポーツも一緒に盛り上げていきたい」と考えた今江氏は、スポーツキャラクター集団をプロデュースすることを決意しプロジェクトを始動。2021年1月にSPORAを結成した。
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