クーデター未遂後、ソ連の行方がどうなるかについて人脈を駆使して情報を収集し、東京に公電で報告していた。しかし、上司の指示でこの作業から手を引き、別の任務に就くことになった。
ソ連人民代議員のアルクスニス氏との昼食懇談を公電にまとめた日(1991年8月26日)、夜遅くのことだった。筆者は政務班長の大島正太郎公使(後に外務審議官、在韓国大使を歴任)に呼ばれた。
バルト3国との国交開設へ
「アルクスニスはすごいな。こんなことを考えているんだ。この考えはどの程度、影響を持つと思う?」
──当面は政局に影響を与えないと思います。ただし、ソ連を非共産主義的な帝国に再編せよというアルクスニスの思想に共感する人々は少なからずいると思います。
「なるほど。実は折り入って、相談したいことがある。面倒な案件だけど、あなたにしかできないと思う」
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