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円安につながる3つの現象を起こした6つの出来事 円は構造的に弱い通貨となり、今年前半も最弱

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円安には3つの構造要因とそうなった6つの背景がある。

すでに為替介入を2回も行ったが、今年前半も円が世界で独り負けの状況だ(撮影:梅谷秀司)

今年も早くも1年の半分が終わろうとしている。本稿を書いている時点では半年まであと1週間残っているが、今年の前半も円が主要通貨の中で最弱となるのはほぼ確実だろう。主要通貨の中で今年前半(6月21日時点)の最強通貨はアメリカ・ドルで、次に強いのはイギリス・ポンドだ。円の次、2番目に弱い通貨はスイス・フランだが、円はスイス・フランに対しても7%も下落している。

円は2021年から2023年まで3年続けて主要通貨の中でほぼ最弱通貨だった。「ほぼ」と書いたのは、2022年だけかろうじてスウェーデン・クローナのほうが弱かったからだ。円の弱さは過去3年に比べて今年前半のほうが際立っている。

最弱通貨になってしまった構造と背景

過去3年間は新興国通貨を含めれば、トルコ・リラのほうが円よりつねに弱かったが、今年前半は円のほうがトルコ・リラよりも弱い。4月と5月に合計9兆円超もの円買い介入を行ったにもかかわらず、円は主要な新興国通貨すべてに対しても下落している。

円という通貨は3つの現象により構造的に弱い通貨となっている。そして、これら3つの現象の背景には、過去10~15年程度の間に日本と世界でたまたま同時進行で起きた6つの出来事やトレンドがあると考えられる。

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