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ロシアと北朝鮮、衝撃の条約は「軍事同盟」なのか 北朝鮮はエネルギーと技術、ロシアは兵器が欲しい

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2年余りに及ぶウクライナ戦争で兵器不足が深刻なロシア。かたや経済状況が厳しい北朝鮮。両者の接近はどこに向かうか。

2人でドライブするなど蜜月をアピール(写真:Getty Images)
※本記事は2024年6月28日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が、6月19日の会談後にいきなり新しい条約(包括的戦略パートナーシップ条約)の締結を発表したため世界が驚いている。

ロシアと北朝鮮は軍事同盟となったのか。ウクライナ戦争に北朝鮮は派兵するのか。朝鮮半島有事が起きた場合にはロシアが関与してくるのか――などなど、世界中の専門家やメディアが条約の真の目的や意味を測りかねている。

ともに独裁国家であり、政策決定過程も交渉過程も、いっさい明らかにされることがないだけに、真相を知る由もない。公表された条約の全文や両首脳らの発言、これまでの歴史などから新条約の意味を探ってみる。

「集団的自衛権」の行使を意味するのか

条約の内容で最も注目されているのが第4条である。その条文は「双方のうちいずれか一方が個別の国家または複数の国々から武力侵攻を受けて戦争状態となった場合、他方は国連憲章第51条と朝鮮民主主義人民共和国とロシアの法に準じて遅滞なく自己が保有しているすべての手段を用いて軍事的、その他の援助を提供する」となっている。

ここで言及されている国連憲章第51条は「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」という内容で、ある国が侵略された場合、侵略してきた国に対して集団的自衛権や個別的自衛権を行使して反撃することを認めている。

次ページ微妙にトーンの異なる両首脳の発言
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