BMWが「新しいクラス」を相次いで打ち出す狙い ノイエクラッセが示す「i」とは別のBEVの世界

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システム名称は、2001年の「7シリーズ」から続く「iDrive(アイドライブ)」であるものの、実際は最新の「X1/iX1」や「X2/iX2」と同様、円筒形のコントローラーは廃された。その代わり、タッチと音声による操作が徹底されている。

タッチと音声による操作により、物理的なスイッチが極限まで減られている(写真:BMW)
タッチと音声による操作により、物理的なスイッチが極限まで減らされている(写真:BMW)

ビジョン・ノイエクラッセでは、ウインドスクリーンのほとんど端から端までを使う「パノラミックビジョン」を採用し、ウィジェットを多用してより機能性を向上させるとともに、より人間的になるという音声対話システム、それに「HYPERSONX」ステアリングホイールが新しい提案だ。

ステアリングホイールは、なんとスポークが12時と6時の方向の2本という、他に類を見ないデザイン。3時と9時の方向にはスポークを設けていない。

よく見るとスポークは左右になく、12時と6時の位置についている(写真:BMW)
よく見るとスポークは左右になく、12時と6時の位置についている(写真:BMW)

「パノラミックビジョンの採用で、フロントに計器盤がなくなったうえに、ヘッドアップディスプレイを採用するので、親指による操作機能を向上させるのが目的です」

デザインを担当したマクシミリアン・レッシュ氏は、実車に乗り込んでそう説明してくれた。

まだ見ぬノイエクラッセが6種ある

ツィプセ会長は「発表は2025年を予定していて、私たちはそこから24カ月の間に少なくとも6種の“異なったノイエクラッセ”を送り出す予定です」という。そしてこう続けた。

セダンとSAVが発表されたということは、クーペやカブリオレ、ミニバンもあるのだろうか(写真:BMW)
セダンとSAVが発表されたということは、クーペやカブリオレ、ミニバンもあるのだろうか(写真:BMW)

「2030年までに私たちの製品の販売台数は半数がBEVになると今も考えていますが、市場によってBEVが売れるところもあれば、そうでもないところもあります。私たちはあらゆるドライブトレインの開発の手をゆるめませんが、BEVにおいてもベストを提供したいと考えています」

「新しいクラス」を意味する「ノイエクラッセ」が、果たしてどんな存在になっていくのか。まずは、実際にドライブできる日がくるのを楽しみに待とう。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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