BMWが「新しいクラス」を相次いで打ち出す狙い ノイエクラッセが示す「i」とは別のBEVの世界

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それでも「アルティメット(究極の)ドライビングマシン」というBMWの製品ポリシーは追求されるそうだ。

もうひとつ、エンジニアリング面での新しさは、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)を統合していくというコンセプトにある。

これはドライビング、シャシー、ブレーキング、ステアリングの制御を「ひとつのユニットで」というもの。

ECUの数を減らすこともビジョン・ノイエクラッセで目指す革新のひとつ(写真:BMW)
ECUの数を減らすこともビジョン・ノイエクラッセで目指す革新のひとつ(写真:BMW)

「私たちはこれを“スーパーブレイン”と呼んでいます。今回は、他に自動運転など4つのスーパーブレインを使いますが、将来的には1つへと統合していきます。これでパフォーマンスは現行の10倍の速さになるでしょう。これまでどのメーカーも手がけていないコンセプトです」(グリース広報部長)

現行モデルでは、制御する分野が増えるにつれ、ECUの数も増えてきていた。100基を超えるECUを搭載するクルマも市場には存在する。それらがひとつのセンサーからの情報を演繹し、場合によっては複数のECUがワイヤで結びつき、たとえば加速や減速の制御を行う。それでは遅い、というのがBMWの考えだ。

BEVのシステムには800Vを採用し、300km走行分の充電を10分で完了するという(写真:BMW)
BEVのシステムには800Vを採用し、300km走行分の充電を10分で完了するという(写真:BMW)

「リダンダンシー(万が一にそなえての多重化や予備の回路増設)の問題さえ解決できれば、単一目的のECUを数多く働かせているのは、時間がかかるだけで無意味なのです。それを効率化することが統合の目的です」(グリース広報部長)

「ニッチ」ではなく「再定義」

ツィプセ会長は、「ノイエクラッセは、ニッチ(市場のすきま)を狙ったコンセプトではありません」と言う。「デザイン、テクノロジー、フィロソフィにおいて、BMWを再定義する内容を持っているのです」と。

車内のデジタライゼーションにおいても、ビジョン・ノイエクレッセは、新しい時代の先駆けを感じさせる。

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