一時4万円を超えた日経平均がバブルだったかはこれから決まる。
日経平均株価が4万円を超えて、ちまたでは「6万円だ」「10万円だ」という声も聞こえる。株価上昇の解説も飛び交う。東証改革や伊藤レポートの効果、そもそも日本企業の株価が割安に放置されすぎていただけ、などだ。理由の1つではあるかもしれないが、なぜこの時期に株価が上がったのかまでは説明できていない。
私見では、中国を回避し日本を選好する資金フローが見られたことや、新NISAによる実際の株買いがあったことなどの需給要因で説明できると考えている。日本の企業業績のよさから見直し買いがあったとの解釈もあるが、企業収益では円安依存も大きい。以上から需給要因と円安が下支えする株高という理解は間違いではない。
本当に成長に資する投資なのか
そもそもファンダメンタルズを形成するマクロ経済環境は、悪くはないが史上最高値を更新するほどの強さではない。例えば、超過貯蓄を喪失している中、アメリカの消費データが強いのは不思議である。無理やり与信がつけられた層が、BNPL(後払い決済)によって消費を引き上げているだけならば、各種ローンの延滞率がこれから増すことも想定される。
また中国や欧州の商業用不動産市場などの懸念や、各国債務が膨張していることもある。リスクがそれなりに気になる中での株高は、だぶつく流動性のたまり場になっているだけで、すでにバブル気味だという見方もできなくはない。
ただし、クレジットを長く見てきた心配性の私も悲観しているばかりではない。世界からの資金が日本に流れ込んでいる間に、本当の意味で成長に資する投資とその結実があれば、話は異なるからだ。
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