「反体制派のファーストレディー」と呼ばれる。

ユリアさんは動画で、大統領選での「反プーチン行動」を呼びかけた(写真:アレクセイ・ナワリヌイ氏のユーチューブチャンネルより引用)
2022年秋に動員され、戻らぬ夫。完全な帰還を実現すべく、言論統制下のロシアで妻たちが決起した。『週刊東洋経済』3月23日号の深層リポートは「プーチンが畏れる女たち」だ。
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ロシア大統領選挙の投票最終日となった3月17日の午後12時過ぎ、在外居住者用の投票所となっていた独・ベルリンのロシア大使館に、1人の女性が姿を現せた。
プーチン政権への猛批判を続けた反体制派の急先鋒で、2月に極北の刑務所で獄死したアレクセイ・ナワリヌイ氏の妻、ユリアさん(47)だ。
ユリアさんは3月6日、ナワリヌイ氏のSNSアカウントを通じ、国内外で反プーチン派の有権者が17日正午、一斉に投票所へと姿を見せるよう呼びかけた。
求めたのは、プーチン氏以外の候補者に投票する、または投票用紙に「ナワリヌイ」と大きく書いて無効票にすることなどによる連帯だ。ロシアの反プーチン派の人々が「リアルに息づく存在」だと、その数を世界に知らしめるのが目的だった。
6日に投稿された動画に登場したユリアさんは、燃えるような闘志を想起させる赤いジャケットと目元のはっきりとしたメイクをしており、大物政治家の風格すら感じさせた。
17日当日、独・ロシア大使館前では数千とも見られる人々が長い列を作った。ユリアさんが現れると「ユーリア!ユーリア!」「貴方と共に!」と叫ぶ人々の声が響いた。
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