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プーチンが畏れる「兵士の妻、母たち」の徹底抗戦 独裁的な政権でも潰しきれないジレンマとは

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ロシアによるウクライナ侵攻開始から2年が過ぎた。

雪が積もる屋外でマニフェストを読み上げる「家への路」メンバー
「テレグラム」上でマニフェストを読み上げる「家への路」メンバー。中央がマリアさん(写真:テレグラムアカウントより引用)

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2022年秋に動員され、戻らぬ夫。完全な帰還を実現すべく、言論統制下のロシアで妻たちが決起した。『週刊東洋経済』3月23日号の深層リポートは「プーチンが畏れる女たち」だ。

【配信スケジュール】3月26日(火)
<拡大版>プーチン猛批判「ナワリヌイ妻」への意外な評価
ロシアで「声を上げる女」が生まれる歴史的背景
4月24日(水)
<拡大版・2日間無料>
ロシア文学が描いてきた「逞しい女性たち」の系譜
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3月15〜17日(現地時間)、ウクライナ侵攻が続くロシアで大統領選挙の投票が行われた。

開票の結果、現職のウラジーミル・プーチン大統領が9割近い得票率でほかの3候補を圧倒。通算5期目の再戦を果たした。

ロシア国外では、親ロシア派の国々を除いてこの選挙結果が公正に行われたという論調はあまり見られない。独シュタインマイヤー大統領はこれを「選挙もどき」と皮肉り、英キャメロン外相も「民主主義とは呼ばない」と公然と批判した。

反戦を掲げるなど、真の対抗馬といえる候補者は「書類の不備」などを理由に排除され、同じ土俵にすら上がれなかった。「不戦勝に近い選挙」であったといえる。

この選挙戦のさなかにあった1月、ある女性団体がプーチン陣営の選挙対策本部を訪れ、「夫を返して」と訴えた。

団体名は、「家への路(みち)」(プーチ・ダモイ)。戦争に動員された男性の妻や母などからなり、23年8月、暗号化機能のある通信アプリ「テレグラム」上でチャンネルを立ち上げた。「喪に服することがないように」との思いを込めてかぶる、白いスカーフが旗印だ。昨年末からは、クレムリン近くの「無名戦士の墓」に献花するなど、毎週土曜日に抗議活動を行っている。

プーチンにとって厄介な存在

モスクワでの活動に参加するのは多くて数十人。一方、昨年末に3万5000人ほどだった「家への路」のテレグラムアカウントの登録者数は、3月現在で7万人近く。直接行動はできずとも、潜在的な支持層の増加が推測される。各地でも、同様の女性団体が複数結成された。厳しい言論統制の中活動する彼女たちは、プーチン大統領にとって厄介な存在だ。

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