脳腫瘍と闘う中、野球選手が見つけた"生きる道" 『栄光のバックホーム』書評

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『栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24』中井由梨子 著
栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24(中井由梨子 著/幻冬舎/1760円/256ページ)
[著者プロフィル]中井由梨子(なかい・ゆりこ)/劇作家・演出家・演技指導講師。1977年生まれ。著書に、千葉の市立船橋高校で受け継がれる応援曲「市船soul」を生み出した青年の姿を描いた『20歳のソウル』。同書を原作とした映画『20歳のソウル』の脚本も担当した。

プロ野球・阪神タイガースの外野手だった故・横田慎太郎を象徴するワンプレーがある。2019年9月26日の2軍戦は、横田の引退試合。脳腫瘍の手術を経て復帰し、8回の守備からセンターで出場した。後遺症によりボールがまともに見えない中でも相手打者のゴロを捕球し、ノーバウンドで本塁へ送球。二塁走者をアウトにしたこのファインプレーが、後に自著のタイトルにもなった「奇跡のバックホーム」だ。

彼の人生のハイライトは、これで幕切れではない。ユニホームを脱いだ後の人生をどう生きるか。迫る死とどう向き合うか──。28歳で世を去った横田は、自らの生き様を通して1つの道標(みちしるべ)を遺(のこ)した。本書はその生涯を、母・まなみさんの目線で綴(つづ)る。

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