プロ野球・阪神タイガースの外野手だった故・横田慎太郎を象徴するワンプレーがある。2019年9月26日の2軍戦は、横田の引退試合。脳腫瘍の手術を経て復帰し、8回の守備からセンターで出場した。後遺症によりボールがまともに見えない中でも相手打者のゴロを捕球し、ノーバウンドで本塁へ送球。二塁走者をアウトにしたこのファインプレーが、後に自著のタイトルにもなった「奇跡のバックホーム」だ。
彼の人生のハイライトは、これで幕切れではない。ユニホームを脱いだ後の人生をどう生きるか。迫る死とどう向き合うか──。28歳で世を去った横田は、自らの生き様を通して1つの道標(みちしるべ)を遺(のこ)した。本書はその生涯を、母・まなみさんの目線で綴(つづ)る。
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