苦境のコーセー「雪肌精」、社長肝煎り大刷新の成算 看板ブランドで「羽生&大谷」起用の深いワケ
原点であり主力商品でもあるクラシックシリーズの処方には先代社長のこだわりが詰まっており、これまで手を付けてこなかった。
しかし今回、10年以上研究を続けてきた「甘草」由来の成分が、シミやそばかすを防ぐ美白有効成分として承認されたことがリニューアルの決め手になった。すでに承認されていた「肌あれ予防」に加えて、新たに「美白」を前面にアピールしたマーケティングが可能となる。謳い文句は「新しい美白のカタチ、はじまる」だ。
小林社長は「この成分が雪肌精の歴史を変えるのではないかと楽しみにしてきた。同じ価格帯の競合商品がわかりやすい有効成分を訴求し、支持されているので、われわれもそこに手を付けたいと考えた」と力を込める。商品化までに16年をかけた、まさに肝煎り商品となっている。
社内の士気が下がっていた
雪肌精を担当するクリーンブランド事業室のブランドマネジャー、塩島瞳氏は「雪肌精ブランドについて、社内の士気が下がってしまっていた。しかし今後は、自分たちがコーセーを代表する看板商品を取り扱っているのだ、という思いを掲げて取り組んでいく」と意気込む。
これまで小林社長の旗振りの下、雪肌精には豪華なプロモーションが展開されてきた。「(2007年の)社長就任以降、雪肌精はコーセーの顔になるブランドだと考え、大胆なマーケティングをするべきだと言い続けてきた」(小林社長)。
2019年には羽生結弦選手をアンバサダーとして起用。2023年からは大谷翔平選手の「大谷vs太陽」キャンペーンを打ち出し、雪肌精のUVケア商品を拡販してきた。
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