一方で、会見で櫻田氏は「グループの最高経営責任者として、(BM問題の)結果責任はとる」と何度も強調し、金融庁に指摘された悪しき企業文化や体制を生み出した原因や責任については、多くを語ろうとしなかった。受け答えの端々に、「自らが作り上げた統治体制を批判されたり、否定されたりする筋合いはない」との思いがにじみ出ているかのようだった。
昨夏までは、会長職として当面居座る腹積もりだったとされる櫻田氏に、金融庁が引導を渡すことにこだわったのは、このような周囲の意見に耳を貸そうとしないトップがもたらす経営への弊害が、看過できないほどに大きいと判断したからだろう。
石川氏は櫻田氏の「側近中の側近」
今後、SOMPOと損保ジャパンの両社は経営体制を刷新し、出直しを図る狙いだが、懸念は残る。
それは白川氏の後任となる石川氏が、昨夏まで5年間にわたって、主に櫻田氏の財界活動をサポートしてきた側近中の側近だったという点だ。
社内評では「櫻田氏にべったりという人物では決してない」というが、櫻田氏による「傀儡政権」という世間の見方をはたして払しょくできるのか。
会見で「新しい経営チームと共に、信念を持って新しい損保ジャパンを作り上げていきたい」と意気込みを語った石川氏には、長く険しい「茨の道が待っている」(金融庁幹部)。
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