11月の胸が躍る米株式相場急伸の下には、不気味な静けさがあり、少なくとも年末までは株式投資家がさらに利益を上げることを示唆している。
S&P500種株価指数は先週、1日平均で0.3%の変動にとどまり、この半年で最も緩やかな値動きとなった。同指数は月末にかけて勢いをやや失ったものの、11月としては1980年以降で、2番目の大幅高を記録した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げ終了をこれまでで最も明確に示唆したの受け、CBOEボラティリティー指数(VIX)は12月1日に今年最低付近に低下し、株価は上昇した。
キャップシーシスの創設者フランク・カッペレリ氏は、「市場は買われ過ぎの状況を、値動きの減少か時間の経過によって解消することができる。これまでのところ、時間の経過とともに減速することで大幅上昇を消化している」と分析。「11月前半の好調の後の減速は建設的と受け止めるべきだろう」と付け加えた。
株式の強気派にとって、こうした値動きはリスクオンのムードが相場急落の前触れとなりがちな高揚感を生み出していないことを示している。また、S&P500種は過去最高値まであと約4%となる中で投資家が現金化を渋る姿勢も浮き彫りにしている。
1950年以来、S&P500種は12月の上昇率が平均1.4%
S&P500種は先週0.8%上昇したが、上昇が続いた5週間の中で最も小幅だった。何が起こったのかを簡単に言えば、11月前半は大きな値動きが続いたが、その後は比較的静かな展開となり、1%以上の値動きはいずれの方向も11日連続でみられず、7月以来最も静かな月末となった。
過去のデータを手掛かりにすれば、12月に大きな売りが出ることはないだろう。ストック・トレーダーズ・アルマナックの集計データによると、1950年以来、S&P500種は12月の上昇率が平均1.4%と、年間で3番目の好調月だ。
ポートフォリオマネジャーは、年末にかけてアウトパフォーム銘柄を買うことでファンドの地位を高める傾向があり、こうした季節性を後押ししている。株価は通常、12月の最後の5営業日と年始にまたがる期間に力強い動きを見せる。
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原題:Eerie Calm in S&P 500 Signals Historic Rally Has Staying Power(抜粋)
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著者:Elena Popina、Jess Menton
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