ここ一番に強い男、持ってる男 竹内一郎著
運をどうつかむか。負けが込んできたときどうすればよいか。いざというときの腹の据え方とは。人生の知恵を論じた書だとはいっても、著者が成功者というわけではない。マンガの原案や著書『人は見た目が9割』などの大ヒットはあるにせよ、「2勝200敗の星勘定」というのが自己評価だ。だが「九転十起」の気持ちでやってきた著者自身の体験と、有名無名のさまざまな人生の分析から、多くの問題提起がなされる。
野球監督の三原と水原、棋士の升田と大山、名コンビ・本田宗一郎と藤沢武夫といった対照的な人物像から勝負の世界や経営の機微を語り、さらに賭け好きの山本五十六の心底や、大統領選の渦中で窮地に追い込まれたオバマの度胸の据わった対応にも学ぶ点は多いという。著者が身を置く演劇の世界での事例や演劇人のありようも一般性を持って紹介される。ちりばめられた多くのヒントをどう生かすかは、読者の置かれた状況しだいだろう。(純)
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