次にサムスンは2019年4月に開発が完了したと発表していたはずの5nmノード技術の量産歩留まりを向上させることがなかなかできず、2021年までずれ込んだことだ。この量産移行への遅延によってIBMがサムスン以外での製造委託先を探すことにつながり、東氏を介して日本国内での技術移転の打診があったと思われる。ただし、この時点では現在のような半導体をとりまく政治的な背景はなく、ビジネス観点でのプランBを確保することがIBMにとっての主な理由だったと考えられる。
当初はルネサスが念頭に当然あった
多くの方はすでに日本国内でロジック半導体を量産するルネサスエレクトロニクス(ルネサス)が受け入れ先に適切だったと考えるはずだ。前述のIBMからの打診について東氏を通じて知った経産省も当然そのように考えただろう。ただ半導体・デジタル産業戦略検討会議を2021年から不定期に開催したものの、ルネサスの柴田英利社長は第4回以降から出席していないため他の選択肢を検討し始めたと考えられる。
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