資源エネ庁長官が語る「エネルギー改革」の道筋 「持てる策を総動員し、エネルギーの危機を乗り切る」

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エネルギー政策について語る村瀬佳史・資源エネルギー庁長官(撮影:筆者)
資源エネルギー庁は1973年に経済産業省の外局として設立された。同年10月、第4次中東戦争が勃発し、原油価格の大幅な引き上げによる「オイルショック」に日本経済は直面した。それから50年を迎える今年7月に長官に就任した村瀬佳史氏は、「当時と同じような時代の変革を求める新たな波が押し寄せている」との認識を示す。困難さが強まるエネルギー政策のかじ取りをどうしていくのか、エネ庁トップの村瀬氏が合同インタビューに応じた。


――資源エネルギー庁が発足して50年が経過しました。当時との共通性も含め、エネルギーをめぐる現状をどのようにとらえていますか。

1973年当時はその名のごとく、オイルショックが日本に押し寄せ、経済や国民生活に多大な影響を与えた。その波を国民、政府、経済界が一体となって乗り越え、省エネルギーや環境対応を強化することで、ピンチをチャンスに変えていった。そのことが以後の日本経済の成長にとっての原動力になっていった。

――現在はどうでしょうか。

エネルギー政策の3E、すなわち、Energy Security(安定供給)、Environment(環境適合性)、Economic Efficiency(経済効率性)の3つすべてにおいて、大きな波が押し寄せている。

エネルギーの安定供給に関しては、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、戦争状態に突入した。エネルギー大国であるロシアが驚くべき行動に出る中で、エネルギー安全保障の面で危機的な状況が生じている。

環境適合性については、カーボンニュートラル、グリーントランスフォーメーション(GX)実現への要請が高まっている。これも数年前までは考えられなかった大きな変化であり、政策課題としての重みが増している。

そしてカーボンニュートラルへの取り組みがコスト増要因となる中で、国民生活の安定や経済競争力のためにもコスト増をいかに抑えていくかが課題になっている。

省エネを徹底し、再エネを最大限導入

――カーボンニュートラル実現のためのエネルギー政策のかじ取りは。

まず第一に省エネを徹底してやりきることが大事だ。省エネはコスト面でも二酸化炭素(CO2)を出さないという点でも重要だ。オイルショック時も省エネという政策を新たに展開して、日本の強みに変えた。ぞうきんをこれ以上絞れないという議論もあるが、これまでの間にエネルギー技術や関連するデジタル技術も深化している。もう一段工夫できる余地はある。

そのうえで再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組む。再エネは国産エネルギーであり、CO2を出さないという点で日本の武器になる。

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