SAPIXトップで開成・東大進学、「開成番長」の "人間力"高める塾TESTEAとは 人の温かみ重視、「コーチング」で円満に合格へ
その他、脳科学的な根拠に基づき忘れかけのタイミングを狙って少しずつ間隔を広げながら復習を繰り返す「メモリーサイクル法」などのメソッドで、知識の定着を効率化するという。
勉強でも「スモールステップの積み重ね」を認めてほしい
中学受験を予定している親に繁田氏が伝えたいのは、“子どもの特性を理解して、親子の関係性を良好に保ち続けること”だという。
「不思議なもので、勉強は運動と比べて“やれば伸びる”と思われがちです。テストの点数が50点の子には『次は100点を目指そう』と言いますが、50メートル走が9秒の子に、いきなり『次は7秒を目指そう』とは言いませんよね。まずは8秒7くらいに目標を設定するのでは。勉強も同じで、スモールステップを積み重ねていくべきです。テストが毎回50点のお子さんなら、58点が取れたら『よく頑張ったね』とほめてほしい。つねに100点を要求すると、親子関係が悪化してしまい逆効果です」

(写真:TESTEA提供)
繁田氏は、今後はIQよりEQ(=心の知能指数)が求められる時代がくると語る。「知識を覚えて吐き出す力や決まった作業を正確にできる力より、自分というフィルターを通して知識を編集しアウトプットする力や人間関係を構築する力、つまりAIに代替されにくい能力がより重視されます」
そのために “未来を生き抜く力を伸ばす教育”が大切だと感じている繁田氏。「教員をはじめ、教える者の役目は、知識を教授するTeachより、人から能力を引き出すCoachに寄っていくのではないでしょうか」と予想する。昨今ではネット上にも授業動画があふれているが、人から能力を引き出すには、一方通行のコミュニケーションではなく対話が欠かせない。
「TESTEAが目指す授業スタイルは、まさにコーチングです。これからは “人のハートに火をつけられる存在”がますます重宝されるでしょう。子どもたちはもちろん、教える側も、コミュニケーション力や人間力を研鑽(けんさん)しなければならない時代に来ているのです」
(文:せきねみき、注記のない写真:尾形文繁撮影)
東洋経済education × ICT編集部
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