SAPIXトップで開成・東大進学、「開成番長」の "人間力"高める塾TESTEAとは 人の温かみ重視、「コーチング」で円満に合格へ

(写真:TESTEA提供)
とくに思春期の中高生は、親や先生でも同級生でもない「斜めの関係」に救われることがあると繁田氏は経験を通じて感じてきた。少し上の先輩には、相談もしやすく、助言を聞き入れやすかったと言う。そこでTESTEAでは、日々のマンツーマン指導や相談は大学生講師がメインで担当し、志望校やカリキュラムは教室長や教科主任が担当するようにしているそうだ。
マンツーマンの指導には多くの講師が必要だが、TESTEAの採用率は3割以下。独自の厳しい基準を設け、面接や模擬授業を経て採用を進めている。「TESTEAで重視しているのは、コミュニケーション力の高さと人当たりの良さ。学歴があっても必ずしも子どもに教えるのが上手だとは限りません。採用後も、1〜2カ月の研修期間を設けています」。
今後は新事業を計画しているほか、2023年10月に新たに田町校を開校するなど、引き続き規模を拡大させているが、TESTEAが講師たちにとっても大切な居場所となるようコミュニケーションを密に行い、更なる授業クオリティーの向上を目指しているという。
知識の定着を見極める独自の「開成番長メソッド」
個別指導塾のメリットは、生徒の理解度を把握しながら授業を進められる点にある。「人それぞれ体格に差があるように、地頭にも差があります。子どもたち1人ひとりの記憶の特性を見定め、正しい型に沿った学びを実践しています」と繁田氏は説明する。
TESTEAでは、子どもたちの理解度を測るため、講師が積極的に問いかける“発問形式”の授業を実践している。「うまく説明できない場合、ほとんどの場合は、語彙力不足ではなく、理解が追いついていないことが原因です。講師がフォローしてわからない点がクリアになると、たとえ小学校低学年でも自分の言葉で説明できるようになります」
TESTEAでは、このようにしっかりと知識がインプットされた状態の理解度を“ステイライン”(=知識を定着させるために必要な理解度のライン)と呼び、常に意識するよう伝えている。繁田氏は「家庭でもぜひ取り入れてほしい」と薦める。
繁田氏が実体験や、塾講師・家庭教師での経験を基に独自に編み出した「開成番長メソッド」はほかにもある。そのひとつが、間違えた問題だけにフォーカスし、×が○になるまで繰り返し解く「シメバツチェック法」だ。
①間違えた問題は、ノートだけでなく問題集やテキストなど問題のほうにも「/」をつける
②復習して正解できれば「/」に逆向きの「\」を重ねて「〆」(シメバツ)にし、再び不正解ならもう1本「/」を入れて「//」にする
③最終的に自力で解けたときに「\」を入れて締める
自力で解けなかった問題をわかりやすく可視化することで、「\」で締まっていない問題は再度取り組むべきと一目瞭然でわかるし、「/」が複数重なっている問題は弱点であるとわかる。「時間に余裕があれば、2回以上間違えた問題をコピーして貼り集めたノートをつくると、成績アップのためのバイブルになります」(繁田氏)。