
(イラスト:北沢夕芸)
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ブラジルを取材していたときのこと。大都市サンパウロの街道沿いに、自動車のパーツを無造作に並べた怪しい店が並んでいた。
座席シートやドア、ハンドル、窓ガラス、バンパーといった大きい部品が目立つ。よく見ると、バッテリーやエンジンもある。
どれも中古品である。だが、クルマが動かなくなるまで乗り続けるブラジル人にとっては、使えるものはすべて価値がある。
それにしても、店内は狭く、品数は少ない。ハンドルはいくつか天井から吊るされているが、ドアやフロントガラスは1つしかない。
「これって、必要な部品を探すの、大変そうですね」
そう話すと、男がニヤリと笑う。
「欲しいものがあれば、すぐに持ってくるよ」
えっ。私は俄(にわ)かには理解できなかった。ほかの店の在庫を探してくれるのかと想像した。
だが、まったくの的外れだった。怪しいテキ屋のような店が、連携して在庫管理をするはずがない。
じゃあ、どうやって客の要望する部品を持ってくるのか。
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