損保業界の「えげつなさ」が次々と露呈している ビッグモーター不正でわかったヤバい業界構造

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損害保険会社のイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)

ビッグモーター事件で、ヤバい構図が見えてきた。

中でも問題が根深いのが損保だ。「コナンくん」こと兼重宏一元副社長は損保ジャパンに在籍していた。同社からの出向者も累積37人にも上る。ズブズブの関係で、不正を放置し、被害を拡大させた。

損保の闇はそれだけではない。

ビッグモーター事件の陰で、驚愕のニュースが流れた。

「公取委、損保大手4社の談合を調査」

談合は他業界でもある。だが、損保はスケールがデカい。

カモにした相手を見ると、大企業がずらりと並ぶ。

まずは私鉄大手の東急グループ。東急は損保を3年で20億円払っていたが、損保各社に見積もりを取り直してみた。すると、大手4社が出してきた保険料がすべて3年で30億円だった。疑問を持った(というか、ふつう疑うわな)東急の担当者が、東京海上を問い詰めると、「調整していた」と認めたという。

巨額の値上げを、裏で示し合わせていたわけだ。そりゃ、公取委も見逃せないわ。

そもそも、損保の市場は「寡占」の状態になっている。

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