中国の若年層の高い失業率が注目を集めている。2023年5月の16歳から24歳までの若年人口における調査失業率は20.8%と前月から0.4ポイント上昇、2018 年の同統計発表開始以来の最高値を更新した。コロナ禍で上昇した欧米諸国の若年層の失業率は低下に転じたが、中国では依然として上昇を続けている。
背景には、安定した正規就業を求める比較的高学歴の若年層と、企業の労働需要との間の深刻なミスマッチが存在するといわれている。一般に若年層の高い失業率は、社会の不安定性に結び付きやすい。
実際、フランスなどではたびたび警察と若年層との間で暴力的衝突が生じているが、背景に後者の不安定な就業状況などの経済問題があることが指摘されている。
ではなぜ中国では、若年層の雇用不安定化が今のところさほどの社会の混乱につながっていないのだろうか? そこでカギを握るのが、中国の都市におけるプラットフォーム労働、すなわちフードデリバリー(外売)や配車サービスに登録するドライバーなどいわゆるギグワークの広がりである。
就労人口の10%がギグワーカー
全国規模の労働組合連合、中華全国総工会の調査によれば、全国のプラットフォーム労働者は8400万人を超え、就労人口の10%前後に達しているといわれる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら