「無関心の横行」こそハラスメント問題の根元だ 映画「アシスタント」は#MeToo運動が題材

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
映画『アシスタント』の一場面
映画『アシスタント』/監督・脚本・製作・共同編集:キティ・グリーン/出演:ジュリア・ガーナー、マシュー・マクファディン、マッケンジー・リー/製作:スコット・マコーリー、ジェームズ・シェイマス、P・ジェニファー・デイナ、ロス・ジェイコブソン/配給・宣伝:サンリスフィルム /2019年・米国・87分/6月16日から全国順次公開(©2019 Luminary Productions,LLC. All Rights Reserved.)

大物映画プロデューサーの下で働く若い女性のとある耐えがたい1日を映画『アシスタント』は無駄なく巧妙に描く。MeToo運動を掘り下げた先で見えてきた、あらゆるハラスメント問題に触れた作品だ。注目の若手俳優ジュリア・ガーナーを主演に迎えて、ドキュメンタリー出身のキティ・グリーン監督が初めて劇映画でメガホンを取った。

不気味な演出で表した組織の闇

物語の主人公ジェーンは、名門大学を卒業した後、映画プロデューサーになることを夢見て、有名エンターテインメント企業に就職した新人アシスタントである。業界の大物である会長の下で朝から晩まで食事の時間さえまともに取れずに働いているが、主な仕事内容は雑用ばかり。電話応対にコピー取り、流しにたまったコップを洗うことまで。

次ページ旬な題材を扱いリアリティーもある理由は
関連記事
トピックボードAD