LGBTQは為政者の「想像力欠如」が生んだ犠牲者 映画『老ナルキソス』がつきつけるもの

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映画『老ナルキソス』の一場面
映画『老ナルキソス』/脚本・監督:東海林 毅/出演:田村泰二郎、水石亜飛夢、寺山武志、日出郎、モロ師岡、村井國夫ほか/上映時間:110分/5月20日 新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開/配給:オンリー・ハーツ(©2022老ナルキソス製作委員会)

『老ナルキソス』と書いて『オールドナルキソス』と読む。ナルキソスは、水面に映る美しい少年(自分)に魅せられ口づけようとして溺れ死ぬギリシャ神話からの命名だ。物語は70代後半の絵本作家の山崎(田村泰二郎)と25歳の男娼のレオ(水石亜飛夢)がアプリで出会うところから始まる。

葛藤の中で「生」と「性」に向き合う

自己愛の強い山崎は、若く美しいレオにかつての自分を見いだす。山崎の絵本で育ったレオは山崎に亡き父親の面影を重ねる。2人は頻繁に会うようになるが、レオは同棲中のパートナー・隼人(寺山武志)から家族になろうとパートナーシップ証明の申請を迫られていた──。

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