有料会員限定

「郵便局」の組織をむしばむ「理不尽」という病 ゆうちょ・かんぽの商品を売り込む職員の本音

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
郵便局員のイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
【情報提供をお願いします】東洋経済ではあなたの周りの「ヤバい会社」「ヤバい仕事」の情報を募っています。ご協力いただける方はこちらへ。

コロナ禍があけてテレワークから出社へと戻りつつある。職場に以前の光景が帰ってきた。

上司の檄が飛ぶ。パワープレーの復活だ。考えてみれば、人が同じなら、コロナ禍で企業文化が変わるはずもない。その典型が郵便局の現場だ。この春、かつてのピリピリした空気が戻ってきた。

郵便局員の苦悩

「営業を元に戻す」

首都圏の郵便局にそんな号令が飛んだ。ゆうちょ・かんぽの商品を売り込むべく、局員が電話をかけまくる。

ところが、客が電話に出ない。

「特殊詐欺グループの『ルフィ』の事件で高齢者すら電話を取らなくなった」。業(ごう)を煮やした営業部隊は、外まわりに飛び出した。

ところが、インターホン作戦も成果が上がらない。一軒家のガードが堅くなっている。そこで、巨大マンションのオートロックの前で、部屋番号を次々と押す。ピンポンに応じてくれればしめたもの。相手のインターホン画面に、制服の胸にある郵便局マークが映るように体をくねらせる。

郵便局だと認識さえしてもらえれば営業のとっかかりが掴(つか)める。

次ページノルマ課せられるのは郵便局長でも同じ
関連記事
トピックボードAD