
たけうち・ひろぶみ/1971年生まれ。1994年協和入社、スカイライト・バイオテック、住商リアルティ・マネジメントなどを経て、2014年にラクオリア入社。経理部長、財務経理部長を経て2018年ユビエンス社長。2021年3月から現職(撮影:今井康一)
2021年3月、個人株主による株主提案が可決され、社長を含めた経営陣が刷新されたラクオリア創薬(詳しくはラクオリア創薬「総会で株主完勝」の画期的事態)。経営権を奪取してから2年、会社はどう変わったのか。
新トップとして経営のかじ取りをしてきた武内博文社長、そして当時株主提案を行い、現在は監査等委員として経営に参画する柿沼佑一・社外取締役のキーマン2人に聞いた(インタビューは3月上旬に実施した)。
株価の自己採点は「0」点
――この2年間を振り返って、いかがでしょうか。
武内:社長に就任した2021年は「非連続の成長」に向けた基本方針を定めるなど足場固めを行い、2022年から改革に着手した。
具体的には、進めている探索研究を継続するかどうか、新たな基準を作ってその可否を判断するようにした。
また、これまでは消化管と疼痛などを対象にしたイオンチャネル創薬を対象にした創薬に特化してきたが、現在は神経変性疾患や遺伝性疾患にも注力している。
2023年はいよいよ改革の実施フェーズに入る。新しい創薬技術や疾患領域などを新たなデータで検証していく。設備を更新し、外から人を入れることで、企業文化などソフト面も「気がつかないうちに変わっていた」というようにしていくつもりだ。
柿沼:2年はあっという間で、まだわからないというのが正直な気持ち。ただバイオベンチャーと昨年結んだ共同研究は、当社が資金を出すなど、これまでとは異質で非常に戦略的なものだ。種のまき方は従前とは違ってきている。
――この2年間を自己採点すると、10点満点では何点になりますか?
柿沼:「5」点だ。改革の方向性の正しさには自信があり「10点」だが、株価は「0点」だからだ。
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