後発「タフト」は「ハスラー」を攻略できたか? 軽クロスオーバーガチンコ対決の意外な構図

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左:ハスラー、右:タフト(写真:スズキ、ダイハツ工業)

今ではすっかり街の景色に溶け込んでいるダイハツ「タフト」。2020年に発売されたこのクルマが、2014年に軽自動車クロスオーバーSUVというジャンルを開拓したスズキ「ハスラー」を仮想敵としていたことは想像にかたくない。

2023年2月の軽自動車販売ランキング(全軽自協調べ)を見ると、8位にダイハツの「タフト」(6065台)、9位にスズキの「ハスラー」(5611台)がランクインし、わずかにハスラーを上回っている。タフトは、仮想敵ハスラーの対抗馬となることに成功したのだ。

では、発売から3年近くを経て、タフトはハスラーにどれだけ対抗できたのだろうか。2車の実績や市場を検証していこう。

ハスラーは発売初年度に10万台を販売

タフトとハスラーは、同じ「軽自動車SUVクロスオーバー」というジャンルのクルマだ。このジャンルのクルマは、この2台だけ。スズキ「ジムニー」は本格的なオフローダーであるし、三菱の「eKクロス」「ekクロス スペース」はもっと乗用車より。その中間のクロスオーバーというポジションは、ハスラーとタフトの2台だけで、正真正銘のライバル関係にある。

2020年に発売された2代目ハスラー(写真:スズキ)

このジャンルを確立したのは、ハスラーだ。2014年1月に「軽ワゴンタイプの乗用車とSUVを融合させた、新しいジャンル」のモデルとして、初代モデルが誕生している。内容は、スズキのヒットモデルである「ワゴンR」のプラットフォームを使い、スクエアなボディに15インチの大径タイヤを履き、同時に車高を上げてSUVらしいスタイルとしたものだ。

最低地上高は、ワゴンRの150mmに対して、プラス30mmの180mm。本格4WDのジムニーほど悪路走破性は高くないが、使い勝手のいい4ドアで広い室内があり、丸型ヘッドライトのキュートな顔つきとあいまって一躍ヒットモデルとなった。

発売年の2014年通年で10万4233台を販売して、年間ランキング10位に食いこんだほどだ。“キュートなクロスオーバー”というありそうでなかったスタイルのハスラーは、ライバル不在の中、しっかりと数字を残したのだ。

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