ユニクロ欧州の国別COOは全7人のうち4人が現地人材。欧州でも新卒採用を行い、「店舗販売員から経営者へ」というユニクロ流の人材育成を徹底する。
ロンドンのテムズ川南岸にひっそりとたたずむ、巨大なレンガ作りの建造物。空に向かって伸びる4本の煙突をもつこの建物は、1983年に創業を停止した火力発電所「バターシー発電所」だ。2022年10月、約10年にわたる同発電所の大規模な再開発が終わり、文化施設や居住区域を併せ持つ複合商業施設としてオープンした。
商業施設のリニューアルオープンと同時に、「ユニクロ バターシー」も開業した。イギリスのユニクロは繫華街に店を構える場合が多いが、同店は住宅地にも近い立地。
現地人材の同店店長によれば、「当店では、散歩や軽い運動に使えるトレーニングウェアの類が特に人気だ」。店内では、カラフルな「エアリズムレギンス」が目立つ位置に平置きされている。
ファーストリテイリングの代表的ブランドである「ユニクロ」。その欧州事業が、新しい局面を迎えている。2001年の初進出から長年苦戦していた同地域だったが、前2022年8月期に黒字化、アジアのユニクロに次ぐ収益柱になりつつある。20余年の間には出店戦略や商品などで改革を行ったほか、「現地での人材育成」も欧州事業の自信につながっている。
欧州COOは「過半数」が現地人材
ユニクロ欧州はCEO(最高経営責任者)の守川卓氏が全体を率い、その下で国別COO(最高執務責任者)が各国の陣頭指揮を執っている。現在ユニクロは欧州の10カ国(期間限定店含む)で展開するが、国別COOは全7人のうち4人が欧州の現地人材。
20年前は現地の小売業界等で経験があるキャリア人材に運営を任せたが、ユニクロカルチャーが思うように浸透せず苦戦した。それを踏まえて欧州でも新卒採用を行い、「店舗販売員から経営者へ」というユニクロ流の人材育成を徹底してきた。
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