進出から20年で収益柱に育ちつつあるユニクロ欧州事業。成功の秘訣は、サイズや色展開、紙チラシに頼らない販促など徹底的なローカライズにあった。
バレンタインデーが過ぎた2月中旬、まだ肌寒さが残るロンドン。ユニクロのグローバル旗艦店である311オックスフォードストリート店では「100%プレミアムリネン」と大きく打ちだされた巨大な商品棚が来店客を出迎え、一足早く春の装いへと衣替えしていた。
欧州では3~4月のイースター(復活祭)休暇中に気候が温暖なリゾート地などへの旅行に出かける人が多い。本来、リネンシャツは春夏にかけて投入される商品だが、「欧州では1月末~2月に投入すると、すぐ売り上げ上位に入る」(山下幸輔・ユニクロ欧州商品計画部長)という人気商品になっている。
日本から遠く離れた欧州で、ファーストリテイリングの「ユニクロ」が存在感を高めている。2001年に初進出したイギリスをはじめとする欧州ユニクロが、前2022年8月期に黒字転換。アジアに次ぐ収益柱になりつつある。
だが、それは裏を返すとユニクロが欧州で20年近く苦戦してきたということだ。欧州事業の初期からユニクロに勤務する現地社員は、「日本から進出したばかりの頃は、商品自体や売り方で欧州各国のマーケットにうまく適応できていなかったと思う」と振り返る。
「欧米のユニクロ商品は一回り大きい」の真相
では、今の欧州ユニクロはどう変わったのか。ユニクロの商品は基本的に世界共通だが、その中でもローカライズが必要な部分には改良が行われている。
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