中国経済の再開は世界経済にとって痛しかゆし 需要爆発で成長に寄与するがインフレ圧力も増す

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不動産業も締め付けから支援に方向転換

不動産やテクノロジーセクターに対する支援策も楽観論を裏付ける材料となっている。

中国政府が住宅バブル防止に本腰を入れ、不動産開発業者への締め付けを強めた20年8月以降、中国経済に最も寄与していた不動産セクターは大きな足かせへと転じた。昨年の不動産販売は24%減少し、投資が10%縮小、価格も低迷した。

中国当局は成長回復へと再び軸足を移しており、不動産開発企業の資金繰りや住宅購入者の借り入れは改善しつつある。不動産セクターの過剰債務など長期的な見通しはなお厳しいが、少なくとも23年についてはやや明るさを取り戻している。BEは投資が3%減と、22年よりも景気に対する足かせがずっと小さくなると見込んでいる。

中国の起業家もひとまず胸をなで下ろしている。フィンテック大手アント・グループの新規株式公開(IPO)が中止に追い込まれた20年11月以降、中国のテクノロジー大手には巨額の罰金が科され、規制も強化された。こうした締め付けの代償は高く、昨年10月にナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数はピーク時に比べて約80%下げた。

しかし、不動産セクターと同様、中国政府は成長回復という当面の方針が大手企業の力を抑えるとの長期的な目標に優先するとの判断に至った。

劉鶴副首相はダボスで、富の蓄積がなければ共同富裕も「源流のない川、根のない木」となり、そもそも成り立たないと指摘。起業家への支援を新たに講じる考えを示唆した。これを受け、テクノロジー株は幾分持ち直している。

中国経済の見通しが突如上向き、当局者がインフレに対する意味合いを問い掛けている背景には、こうした中国指導部の方向転換がある。

 

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