Netflixを猛追するディズニー「株価半減」の深層 物言う株主も追及、前CEO電撃復帰は吉と出るか
物言う株主から相次ぎ改革を求められ、経営の混乱が目立つディズニー。動画配信サービスの会員拡大を続ける背後で、何が起きているのか。
エンタメの巨大帝国は、再び投資家に夢を見せることができるのか。
コロナ禍での巣ごもり特需が一服し、競争が厳しさを増す動画配信ビジネス。1月19日に決算を発表したネットフリックスも業績の伸び悩みが目立つ中、その背中を猛追するのが、ウォルト・ディズニー・カンパニーだ。
同社は2019年11月に動画配信サービス「ディズニープラス」を開始。同年末時点の有料会員数は2650万人と、ネットフリックスとは1.4億人超の差が開いていた。
それが2022年7~9月期末には、ネットフリックスが2億2309万人、ディズニープラスは同1億6420万人と、その差は約6000万人まで縮まった。スポーツ中継の「ESPNプラス」など傘下に持つ3つのサービスを合算すると、動画配信におけるディズニーの会員数は2億3570万人に拡大している。
コロナ影響で低迷していた全社の業績も、テーマパーク運営の正常化や動画配信事業の成長などにより、前2022年9月期には売上高が827億ドル(前期比23%増)と過去最高を更新。営業利益も121億ドル(同56%増)と回復基調にある。
物言う株主から「危機的な企業」と糾弾
一見すると順風満帆のディズニー。しかし業績トレンドとは対照的に、株式市場の視線は厳しさを増している。
2021年秋までディズニーの株価は170~180ドル程度で推移していたが、同年末から急降下。足元では100ドル前後を推移しており、2021年3月に付けた過去最高値の201ドルから、およそ半値となった。2023年1月中旬には、アクティビスト(物言う株主)であるアメリカの投資ファンドから、「投資家心理に重くのしかかる多くの課題を抱えた危機的な企業」とまで糾弾されている。
背景には、投資家の間で膨らんだ動画配信サービスへの期待が、急速に冷めていく様相がうかがえる。
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