3月に日本ハムの新球場「エスコンフィールド」を含む施設が開業する。温泉やビール醸造所などエンタメ要素を充実させた同施設の狙いはどこにあるのか、新球場の企画者に直撃した。
――エスコンフィールドは温泉施設やブルワリー(ビール醸造所)、子ども向け遊技場を備えるなど、野球以外のエンターテインメント機能が充実しています。狙いは何ですか。
かつてのプロ野球の隆盛は、ひとえに競技人口が多かったから。それが2010年頃を境に人口減少局面に入った。0〜19歳の層では毎年30万人くらい減っている。その中で、野球の競技人口が減っていく割合は人口減少よりも急だ。競技人口を増やして野球界を活性化させようというのは、残念ながらもう過去のモデルになっている。
(編集部注:日本中学校体育連盟の統計では、2012年度に26万3000人だった中学校の軟式野球の部員数は2021年度約15万人(21年度)と4割以上減った。また、日本高等学校野球連盟によれば、高校の硬式野球部員も13万1259人(2022年5月時点)と、10年前から22%減っている。一方、人口問題研究所の統計では0〜19歳の人口減少は2011年から21年にかけて10%減となっている)
野球との接点を持てる複数の仕掛け
われわれが手がけようとしているのは、野球を観戦する人を増やすことだ。子どもであろうと大人であろうと、高齢者であろうと、少しでも野球に興味を持つ人を増やす。野球に関わってこなかった人たちに対しても、野球との接点をもってもらう。そのために、「入り口」をできるだけ広くする。これが新球場の狙いだ。
――そのために野球とは関係のない機能も入れていくと。
そのとおりだ。まずは北海道らしさを楽しんでもらう機能。球場周辺のFビレッジでは、グランピング(豪華な屋外キャンプ)施設があり、クボタさんが投資・運営していく未来型の農園エリアもある。ここで北海道らしい自然を楽しんでもらったり、最先端の農業技術を学んだりすることができる。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら