一億総うつ社会 片田珠美著
うつが激増している。その背景には診断マニュアルの改訂による「うつ」概念の拡大や投与しやすい新しい抗うつ薬の登場があるが、同時に「新型うつ」と呼ばれる従来とは異なるタイプの増加が見逃せないと精神科医である著者は指摘する。
新型うつは自分の病気を他人や会社など周囲のせいにする「他質的」な傾向が顕著だという。クレーマーやモンスターペアレントと呼ばれる人にも共通して見られる傾向であり、その意味で新型うつは世相を如実に反映しているともいえる。過剰なまでの自己愛とそれを許す社会の変容、誰もがうつになってもおかしくない「一億総うつ社会」の様相を呈する現在の日本社会に対し、処方箋を提示する。
ちくま新書 777円
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