中国東部の浙江省義烏市にあるソーラーパネル部品工場で働いていた劉俊徳さんは20日間の休暇は無理だと上司から言われ、すぐに仕事を辞めた。
劉さん(48)が春節(旧正月)の連休中に帰省できるは3年ぶりだ。中国本土では何億人という労働者が春節を機に故郷で家族と再会する。
新型コロナウイルス対策としての3年に及ぶ移動規制に耐えてきた劉さんは、倉庫担当の仕事を辞めたことを後悔していないという。
「帰省するのでうれしい」と劉さんは義烏の混雑した駅の近くで語った。28時間かけて鉄道とバスを乗り継ぎ、甘粛省の田舎にある故郷に着くという。「家族と楽しい時間を過ごしたいだけだ。休暇が終わったら、仕事を探し始める」つもりだという。
中国では今年、2億9600万人の出稼ぎ労働者が春節の連休で移動する。毎年変わる春節の祝日は今年、1月21-27日だが、多くの労働者は2月5日の元宵節が終わるまで職場に戻るつもりはない。
製造業の中心地、浙江省では今年、工場が通常より1、2週間早く生産を停止した。雇用主と労働者20人余りに先週インタビューにしたところによれば、昨年12月にコロナ感染が急増し始める中で、旅行制限が突然解除され、多くの働き手が先月下旬から帰省し始めたという。
企業や地方政府は今、混乱を最小限に抑えるための準備を進めている。現金を配ったり、働き手確保のために雇用主の旅行を手配したりし、従業員が2月上旬に確実に戻ってくるように説明会を開く。