メタ認知能力を高める子どもの教育方法とは?

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2020年度に小学校から始まった「新学習指導要領」でも重要視されている「メタ認知」。予測不能な時代を生き抜く子どもたちに必要な「主体的・対話的で深い学び」を実現するためのスキルの1つとして注目されており、教育現場でもメタ認知を活用した授業が求められています。この記事ではメタ認知について詳しく解説していきます。

メタ認知とは?

メタ認知とは、わかりやすく言えば、「自分の思考や行動を客観的に把握し認識する力」。1970年代に、アメリカの発達心理学者のジョン・H・フレイヴェルが提唱し、その後アン・L・ブラウンが「メタ」についての研究を行い世界に広まるようになりました。

「メタ」はギリシア語に由来する接頭語で、「高次の」「より上位の」などという意味を表します。

読む、見る、聞く、書く、話す、覚える、考える、理解するなど頭を働かせること全般を「認知」と呼びますが、メタ認知は、この認知をより上位の観点からとらえたもの。

自分が頭の中で「きっと、こうだよね」と考える中で、自分の中の“もう一人の自分”が「本当にそれでいいの? ほかの考え方はできないの?」などと、冷静で客観的な判断をしてくれている、というイメージです。

メタ認知の能力

メタ認知の能力は、

1.メタ認知的知識
2.メタ認知的活動

の2つに分けられます。

1.メタ認知的知識

1の「メタ認知的知識」は、さらに「人間の認知特性についての知識」「課題についての知識」「課題解決の方略についての知識」の3つに分類されます。それぞれについて説明します。

・人間の認知特性についての知識
「一度に多くを求められてもこなせない」「疲れがたまると思考力が低下する」など、私たち人間の一般的な認知の特性についての知識です。「暗記が得意」「早とちりをする癖がある」など、その人自身の認知特性も含まれます。

・課題についての知識
「長時間単純作業を続けるとミスが出やすい」など、課題の性質についての知識を指します。課題が何を要求しているのか、課題の本質は何かを知っていれば、課題に対して適切に対応することが可能になります。

・課題解決の方略についての知識
「図解で表現したほうが課題設定しやすい」など、課題をよりよく遂行するための工夫についての知識を指します。この知識を豊富に持つことで、課題遂行のレベルを上げることができます。

2.メタ認知的活動

2の「メタ認知的活動」は、「メタ認知的モニタリング」と「メタ認知的コントロール」に分けられます。それぞれについて説明します。

・メタ認知的モニタリング
「ここがよくわからない」「この考え方でよいのだろうか」など、自分の認知行動を自分で点検すること。

・メタ認知コントロール
「この例ではわかりにくいから、ほかの例を考えてみよう」など、自分の認知行動を制御し、前述したモニタリングで得た知識から目標や計画を立てたり、それらを修正したりすること。

「メタ認知的活動」は「メタ認知的知識」に基づいて行われ、メタ認知的活動を活発に行うことにより、認知活動の質は高まっていきます。

メタ認知が高い人の特徴

メタ認知能力が高い人ほど自分の特性や考え方のクセを把握できるため、目標達成能力や課題解決能力が高いといわれています。メタ認知能力が高い人には、どのような特徴があるのでしょうか。

・感情の軌道修正ができる
物事に対して不安な気持ちになっても「不安を軽減するために、今、何ができるかを考えよう」など感情の軌道修正ができ、トラブルが起こった場合も冷静に対応することができます。

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