武田が買収の皮膚病新薬候補は稼ぎ頭になれるか 5000億円超「シャイアー以来」大型買収の成算は
武田薬品工業が将来の稼ぎ頭確保に向け動いた。皮膚病の新薬候補をアメリカの新興企業から5000億円超で買収する。どのような成算があるのか。
「複数の免疫疾患で画期的な新薬になる可能性があり、買収を楽しみにしていた」
12月13日、国内製薬大手の武田薬品工業はアメリカの新興バイオ企業、ニンバス・セラピューティクス社の子会社で皮膚病の新薬候補を持つラクシュミ社を、40億ドル(約5300億円)で買収すると発表。翌日の会見で、武田のクリストフ・ウェバーCEOは大きな期待感を示した。
武田は2019年、アイルランドの製薬大手・シャイアー社を、国内最大規模となる約6兆円で買収した。今回、シャイアー買収以降では初となる大型買収に踏み切った。2023年3月末までの買収完了を目指す。
300億ドル市場で画期的新薬狙う
ラクシュミ社が開発中の治療薬「NDI-034858」は、治療が難しい「自己免疫疾患」に対する効果が期待される経口薬の候補だ。現在は、免疫異常によって皮膚が炎症を起こす病気である乾癬(かんせん)を対象とした臨床試験(治験)が進む。11月に明らかになった第2段階の臨床試験結果の速報値を踏まえ、買収に至った。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら